佐賀市の社会保険労務士│きさだ社会保険労務士事務所

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経営者を守る就業規則

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「就業規則を社員に読ませると有給休暇等の色々な
  権利を主張してきて困るのではないか?」

ということを心配されている経営者が非常い多いようです。

しかし、そのような社員は読んでも読まなくても権利を主張してきますのであまり考えなくてもよいことだと思います。
むしろ、普通の社員でも実は経営者より労働法について知っていることのほうが多く、この普通の社員こそトラブルの火種がくすぶっている状態にあるかも知れないという認識を持つことのほうが大事です。

有給休暇や残業代の取扱、育休復帰後の待遇などについて、社内のルールが変だと思いながらも、日々の生活のことや再就職のことを考えれば我慢するしかないと考える社員もいれば、今までお世話になったので事を荒立てたくない、自分一人だけワガママは言えないという気持ちの社員等もいますので、表立って経営者に不満を言うことはありません。

中には仕事に達成感や自分の成長を感じていることから不満に目が向かず仕事に熱中している社員もいますし、一方で不満は表に出さないけど裏で着々と転職活動をしているという社員もいます。

実は社員の心の中で色々なバランスが取れているため労働トラブルが表に出てこない状況もあるということを理解しておく必要があります。
多くの中小企業はこの状態にあることが多いようです。

ただし、何らかの不満が爆発したことでそのバランスが崩れた時は、今の時代だと経営者にとって大きな代償を払うことになる可能性が高いことも理解しておく必要があります。

そのようなことがないように、まず会社にどのような労務に関するリスクがあるかの把握と、そのリスクが表に出てきた時に精神的・金銭的に許容できる範囲のものなのかどうかを予め推測しておくことが重要だと思います。

また、法の主旨に沿わない社内ルールの全てを今すぐ改善するというのがなかなか困難だというのであれば、まず最優先に改善すべき事項を一つだけ決め、それについて会社として改善に今から取り組んでいくということを社内に周知し社員に理解を得るという方法も有効な手段だと思います。

若しくは、改善提案制度や、委員会活動により社内ルールについて社員に話し合いをさせ、社員主導でルールを作らせることも社員の自己決定感(自立性)を育む意味では有効です。その中で残業時間の短縮や、業務の効率化までの話し合いが行われるようになればベストだと思います。

本来、就業規則を含めルールと言うものはそのような過程を経て決められるべきものだと思います。

しかし実際は「経営者は強い立場である」という前提で施行された労働基準法や労働契約法が「労働者を保護するために絶対に記載しなければいけない事項」を就業規則に定めるように要請しているため画一的にならざるを得ません。

そのうえ、会社において一方の当事者である社員が流動的であることから経営者主導で就業規則が作られ、その結果「できることなら社員に見せたくないもの」になっているのだと推測されます。

就業規則というものは、本来なら、
「経営者として社員にして欲しくないこと、して欲しいこと」
「法律の要請により経営者として社員に保証すること」
「経営者が恩恵的に保証すること」
「社員としての義務を果たさないのであれば会社として保証しない事項」
を決めるものだと個人的には思っています。

就業規則は隠すものと捉えずに、経営者と社員の関係を良くするための一つのツールというように捉えてみるようにしてみて下さい。

なお、私は今まで多くの就業規則をみてきましたが、ネットでダウンロードしたり、サラリーマン時代の会社の就業規則を便宜上利用する経営者もいらっしゃいます。
休職期間が異常に長いなど社員に必要以上に手厚い内容となっていたり、経営者に不利な内容となっていたりするものもありますので会社の実情に合った見直しが必要です。

冒頭において、経営者と社員の関係作りのツールの一つとして就業規則を捉えるという話をしましたが、そうは言ってもトラブルが起こった時に経営者の身を守ってくれるのもやはりしっかりと作られた就業規則です。

簡単に作成した就業規則ほど現実として運用されていないことのほうが多いのですが、そのような会社は約束事を曖昧にする傾向にあるため、トラブルが表に出てきやすい状況にあるとも言えます。

そしていざトラブルが起こると、内容が簡単な就業規則が故にトラブルの解決に向けての効果もほとんど期待できないということにも繋がります。

そのように全く運用されていない就業規則でも労働基準監督署に届出してあれば有効になります。
労使間で裁判になった場合は真っ先に就業規則を確認されます。

もし会社が就業規則に反するような行為をしていた場合、裁判官は「就業規則は会社側が作ったルールなのだから会社が就業規則のルールに反するとは言語道断でありけしからん」というものの見方をしてきます。

就業規則は労働契約でもありますので持ちうる効果は絶大なものがあると認識しておく必要があります。

特に今の情報化社会においては、誰でもネットで得たい情報を得ることができるような状況ですので、社員は社内のおかしなルールが法律上問題ないかをネットで直ぐに確認でき、それがエスカレートしていけば、起こるはずがないような無用なトラブルが起こることもありえます。

そのような時に備え、しっかりとしたものを作っておくことが重要になります。

不安要素があるのならば今すぐにでも見直しておきましょう。

☑トラブルを起こす社員を採用したくない
事業主としてはできるだけ有能な社員を採用したいという思いもあるでしょうが、それ以上に問題社員を採用したくないという思いもあると思います。それについても就業規則の定めを変え、正しい運用をすることで入口の部分である程度防ぐことも可能です。

☑労働トラブルが発生した場合に防ぎたい
ルールをしっかりしておけば大丈夫です。問題社員でなくとも些細なことがきっかけでトラブルを起こすケースが多いのですが、ルールがあればそれに沿った対応ができるのでトラブルには発展しません。社員を問題化させることを防ぐことも可能です。


就業規則は社内ルール・労務管理マニュアルでもあります。

しっかりと社員に読んでもらうことにより、双方のトラブル防止できるだけでなく、会社と社員の権利・義務関係を明確にし規律ある職場を形成するものとしての効果もあります。

会社の経営理念や経営方針をもとに、社員に求める行動、してはいけない行動を示すだけでなく、社員がどのように働けばどのようにキャリアアップするのか示すことが大切です。

もちろん就業規則だけで会社の業績が上がるものではありませんが、就業規則と向き合うことは経営者と社員が向き合うことになり、お互いがお互いのことを考える機会になるということです。

また、就業規則のをもとに労務管理を行うことで助成金の活用も容易になります。

働きがいのある良い職場作りの足がかりとなるように利用して下さい。